テリアンシェフ特別料理教室のご報告2023年6月
6月の料理教室が、無事に終了しました。
今月は、元ル・コルドン・ブルーパリ本校のトップシェフ、パトリック・テリアン先生の特別レッスン。
毎年来日の際にはうちの料理教室に来て、デモンストレーションをしてくれていたシェフ、
台風で、シェフは来ているのに生徒さんにいらしていただけなかった2019年を最後に
新型コロナウイルスの影響で、ずっと来日がかないませんでした。
5年ぶりの開催に、私も生徒さんも、ワクワク。

久しぶりの開催に希望者も多く、抽選するといったものの、
来られない方がいらっしゃるのもな、と、心が痛み、12名の開催に踏み切りました。
いつものテーブルをのばした上に、別テーブルもくっつけて、つぎはぎテーブルですが、
なんとか体裁を整えました。
大雨の影響で、大阪の仕事を終えたシェフが東京に到着した直後から、東海道新幹線が運休。
翌日も午前中運休で、京都からいらっしゃるはずの生徒さんは、残念ながら欠席になってしまいました。
シェフ、あと少し出発が遅かったら、レッスンはキャンセルになってしまうところでした…!

毎回、事前にシェフからは、メニュー名と材料表が送らせてきます。
それをもとに、料理をイメージし、ワインを選び、食材を調達します。
今回は、白イカや真鯛を市場で仕入れ。

前日から、仕込みが始まります。
12人分を当日全て作るのは、時間内に終わらないので、
半分くらいは準備しておいて、大事なところを中心にデモンストレーションでは見ていただきます。
いつもながら仕事が早い、シェフ。
もうおじいちゃんだから、なんて言ってたけれど、年齢を全く感じさせません。

ここからは、お料理の紹介。
まずはアミューズです。
Mini tartelettes aux melanges 'croquants fondants'
’カリカリ’と’とろける’の2種類を混ぜたタルト
複数の野菜をそれぞれ別に火入れし、刻んだ白イカと合わせて
セヴィチェのようなサラダを作りました。
パート・ブリックで作ったお手製のタルト型に盛ります。
とろとろになるまで火を入れた玉ねぎ、パプリカ、カリっとした食感のきゅうり、ズッキーニ、
様々な食感や味わいが一つになっていて、
一口で食べるのがもったいないくらいのアミューズになりました。

最初に写真撮影用の一皿を盛り付けたら、
全員分をまとめて仕上げていきます。
こんな光景も、特別レッスンならでは。

魚料理は鯛。
Dos de daurade suite sur le peau, risotto de legumes a l'epeautre, ecume au vin de Loire
皮目から焼いた鯛 野菜とスペルト小麦のリゾット ロワールワインの泡
リゾットには、玉ねぎ、エシャロット、にんじん、セロリ、かぶなど
たくさんの野菜が入っています。
スペルト小麦の食感と、野菜それぞれの旨味や食感で、
これだけでも贅沢な味わい。
鯛は、今回は、大洗の天然真鯛。
皮目はしっかりと焼き、身はふっくらと仕上げる火入れです。
ロワールワインの泡は、クラシカルなサバイヨンソース。
このソースが、鯛とリゾットをきれいにつなげてくれました。

メインは、鶏のバロティーヌ。
Ballotine de volaille chaude a l'estragon et champignons, jus au cidre brut
エストラゴンときのこを詰めた鶏肉の温かいバロティーヌ シードルのジュ
バロティーヌは、詰め物をして巻いたお肉で、冷菜としていただくことが多いのですが、
今回は、温かいメイン料理になりました。
鶏の開き方、詰め物の作り方、火入れの仕方にソース、付け合わせ、
一つ一つ丁寧に説明しながらも、あっという間に出来上がっていきます。
たくさんの素材を使って、しっかりクラシカルな作り方をするのに、
食べてみると、素材の味がひきたつ優しい味わいで、フレンチなのにどこか和を感じるような
テリアンシェフのお料理。
本当に不思議です。

デザートはとうもろこしを使って。
Souffle au mais et pop corn
とうもろこしとポップコーンのスフレ
とうもろこしのピュレをベースにしたスフレ生地に
さくさくのポップコーン。
どこまでもコーンづくしなスフレです。
ヨーグルトベースの冷たいクリームをシフォンで作り、
熱々のスフレに添えました。
このクリーム、残念ながら写真を撮りそびれました…。

熱々の鍋もスフレも、ともすると素手でどんどん運ぼうとするシェフ。
出来立てがお皿に並べられていきます。

合わせたワインは、こちら。
ロワールワインの泡に合わせて、アミューズ、魚には
サンセールを。
メインは鶏ですが、詰め物も、ソースも味わいがしっかりしていると思ったので、
ブルゴーニュのピノ・ノワールを用意しました。
どちらも、繊細なシェフの料理にぴったりと寄り添ってくれる
ワインたちでした。

特別レッスンは盛り上がりすぎて、いつも時間を忘れてしまいます。
今回も、シェフの予定時間ギリギリまで、
いらしてくださった皆さんとの時間を楽しむことができました。

次の来日は秋かな?来年だと思うけど…というシェフ。
またお待ちしています。
Merci beaucoup!!
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